住宅ローンを考えるときに、個人信用情報を無視して進めることは出来ません。
住宅ローンと信用情報
住宅ローンの審査時に「ブラックではないか?」「支払いの延滞はないか?」「未申告の借り入れは無いか?」「借り入れ総額は多くないか?」「借入枠が多すぎないか?」など色々な信用情報を審査機関に見られます。
■ブラックリストについて
実際に「ブラックリスト」というファイルが存在するわけではありません。一定期間(例えば3か月以上)支払いが滞っていたり、破産したりすると「金融事故情報が信用情報に登録されている状態」のことをいいます。基本これがあると住宅ローン通りません。後述する保管期限が切れるまで待てば再び借り入れられるかも知れません。
■支払の延滞について
あっ!しまった入金を忘れた!あなたは常習的に入金を忘れる人に安心してお金を貸せますか?金融機関も厳しく見ます。様々な事情で人生で一回や二回はあるかも知れませんが、急な出張で戻ってこれなかった、入院で家に戻れなかった等、理由をつけた方が相手を安心させられます。支払遅れ等が2個存在するとアウトな金融機関が増えてきました。3個以上でも通過させた実績は多々ありますが、ゆるい?金融機関は存在しません。お客様と丁寧な理由を作成して提出して認められたということに他なりません。
■未申告の借り入れは無いか
住宅ローン申し込み時に、今あるローンを全て申告するのですが、配偶者に内緒の手前、未申告になるローンがちらほら出てきます。「黙っていれば分からない」「バレなければローン組もう」と思われるのですが、後記する信用情報管理で100%バレてしまいます。
バレるとその後の大喧嘩なんてしょっちゆうなので、配偶者さんのいない所や電話で担当にお教えいただければ普通に対応できます。
■借り入れ総額は多くないか
車のローンなどは別として、キヤッシングやリボは30万円以上借りていると審査に大きな影響を及ぼします。要するに「つまみ癖」「借り癖」に見られる可能性大です。通過しても不利な金利になりそうです。住宅ローン申し込み前は、色々な解決方法有りますので、対策を練る必要があります。
■借入枠が多すぎないか
現状の借り入れは少ないが、いつでも借りれる状態になるっている借入先があれば、住宅ローンが通過したら、「また借りるかも」と思われます。住宅ローン事前審査通過時に「本申込までに解約」を条件に出されることも有ります。
信用情報って何?
信用情報とは、「個人の借り入れに関する情報」です。具体的には、カードローンやクレジットカードの申込や解約、借入や返済、保証人、任意整理など法的手続等の情報で、国内の加盟信用情報機関に記録されます。
住宅ローンに関わらず、日本でお金を借りようとすれば必ずこの3つの機関の信用情報のどれか、もしくは全てを見られることになります。
●全国銀行協会(JBA・KSC・全銀協)
●CIC(株式会社シー・アイ・シー)
●JICC(株式会社日本信用情報機構)
違う見方で言うと日本の金貸しの全てがこの3つの団体のどれかに加盟している。なので、どれかに傷が付くと日本でお金を借りるのが難しくなっていく。ということです。なので加盟していない金融機関を探そうとしても有る筈もなく、闇商売だけとなります。
■業界ごとの各団体への加盟傾向
利用業界/信用機関 | 全銀協 | CIC | JICC |
銀行 | 〇 | ||
信託銀行 | 〇 | ||
信用金庫組合 | 〇 | ||
農協 | 〇 | ||
ネット銀行 | 〇 | 〇 | |
労働金庫 | 〇 | 〇 | 〇 |
保証会社 | 〇 | 〇 | |
消費者金融 | 〇 | 〇 | |
信販会社 | 〇 | 〇 | |
クレジット | 〇 | 〇 | |
リース会社 | 〇 | 〇 | |
保険会社 | 〇 | ||
携帯電話会社 | 〇 |
上記は一般的な加入状況で、個別の業務体系で相違する場合がありますので、詳しくは各会社の個人情報加盟情報をご覧ください。
情報は共有される
CICで情報に傷が付いたのでKSCで、なんて考えたいところですが、加盟している団体同士は情報共有しています。
画像引用元:日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
■CRINは3機関の情報を共有している
CRIN(Credit Information Network)は各信用情報を共有し、消費者への過剰貸付や多重債務者の防止に役立てています。
CRINで共有している情報 | |
本人識別情報 | 氏名・生年月日・性別・電話番号・住所、等 |
契約内容 | 契約内容・契約日・契約額、等 |
支払状況 | 異動発生日・情報の種類(異動)・終了状況(完了・貸倒)、等 |
申告した内容 | 身分証の紛失等、消費者からの申告内容 |
■FINEは貸付残高も共有される
FINE(Financial Information Network)はCICとJICCの貸金業法が適用されている消費者金融会社やクレジットカード会社、信販会社等の業者が加盟しており、CRINでは共有していない貸付残高等の情報も共有しています。ほぼリアルタイムで共有されるので、総量規制の対象となる契約を監視する役目を担っています。
FINEで共有している情報 | |
本人識別情報 | 氏名・生年月日・性別・電話番号・住所、等 |
契約内容 | 契約日・貸付金額・残債・遅滞の有無、等 |
申告した内容 | 身分証の紛失等、消費者からの申告内容 |
個人情報を自分で確認する
ちょっと不安だなー、たぶん不味い情報あるよなー、という方は一度ご自分で確認してみても良いと思います。
「自分で見るのも良くないと聞いた!」という方もいるかも知れませんが、閲覧は本人であっても閲覧履歴が残ります。それを審査の方が見ると、「何か不安があるのかな?」と勘繰られてしまいます。
しかし悪い情報があると、その内容をしっかり把握して対応する方が大事になるかも知れません。
■CICに個人情報開示
開示方法は「インターネット」「郵送」「窓口」となります。
■JICCに個人情報開示
開示方法は「インターネット」「郵送」「窓口」となります。
日本信用情報機構(JICC)
■全国銀行協会に個人情報開示
開示方法は「郵送」のみとなります。
■最後に
後日、開示方法や内容の味方に付いて特集したいと思います。
また、お困りごとについては色々ご相談ください。